世界中から学びに来る!最先端トマト温室とは?
- aikosakurako21
- 10月27日
- 読了時間: 4分
更新日:11月6日

はじめに:世界が注目するイノベーションセンター
オランダはここ数日で一気に寒くなり、日もぐっと短くなってきました。
寒さは苦手ですが、街のあちこちでイルミネーションが灯り始め、美しい季節の始まりです。
さて、今日はそんな外の寒さを全く感じない、オランダにありながら年中暖かな場所のご紹介です。そこは、世界でも屈指のグリーンハウス農業地帯「ウエストランド」にある最先端農業イノベーションセンター"Tomato World"。
データに基づいた自動栽培やロボット技術の応用が開発・検証されており、施設園芸におけるハイテク・イノベーションの最前線を直接見て学ぶことができる貴重な場所です。
この施設は、農業に関心がある人であれば、誰もがワクワクできる農業テーマパークのような場所です。
「Tomato World」とは?
「Tomato World」は、1500㎡の実験温室と500㎡の展示施設からなり、5G通信、IoT、AI、ロボティクスといったオランダの最新温室技術を体験的に学べる施設です。
Tomato Worldは、2007年に6名のトマト農家によって設立されました。「オランダの温室園芸の価値を、世界に伝えたい」という想いが、やがてハイテク企業や研究機関、学生、スタートアップが集うフィールドラボへと発展。今では、企業が技術を試験し、学生が研究し、現場の農家が実証を支える場となっています。
見学者は、実際のトマト栽培現場を見学しながら、専門ガイドの解説を通して、次のような最新技術をわかりやすく学ぶことができます。
土の代わりになる培地(ロックウール、ココピート、ピートモス)
温度・湿度を自動で調整する環境制御システム
AIとセンサーによるデータ管理
地熱や余熱を活用したエネルギー供給
益虫(天敵昆虫)を使った“農薬いらず”の栽培
ここを訪れれば、「オランダ式温室農業」の全体像を理解することが可能です。
環境を操る魔法の温室
温室内は温度・湿度・光・二酸化炭素濃度まで、すべてコンピュータで制御されています。
例えば、
雲が出て光量が減ると、補光用LEDが自動点灯
気温が下がると暖房管に温水を循環
植物の光合成を最適化するため、CO₂を工場から回収して注入
といった具合。まるで植物をVIP待遇で育てているような徹底ぶりです。

データとAIが農家をサポート
温室内の各所にはセンサーが張り巡らされ、植物の状態を常時モニタリング。
「葉の温度は?」「水分量は?」などをリアルタイムで記録し、AIが解析します。
これにより、
収量の予測
病害虫リスクの早期発見
最適な収穫タイミングの提示
といった「勘ではなくデータで育てる農業」が実現。
毎年数万人の農業関係者や政府関係者が世界中から視察に訪れる理由がわかります。
持続可能性と未来の農業
オランダの温室農業は効率的であると同時に、環境にもやさしいのが特徴です。
水の使用量は露地栽培の1/10以下
農薬を極力使わず、天敵昆虫で害虫を防ぐ
工場や都市の余熱を再利用し、地域全体でエネルギーを循環
つまり、「環境負荷を減らしながら大量生産」を実現しています。
トマトから見える農業の未来
この充実した内容から、弊社のお客様からの訪問希望もとても多い施設です。
Kosakuとしては、農業関係者、政府関係者の方はもちろんのこと、一般農家さんや農業に興味がある方々にもぜひこのTomato Worldを見て頂きたいと思っています。皆様の興味に合わせわかりやすく日本語で解説させて頂きますのでぜひお気軽にお問い合わせください。
世界が学びに来る温室
小さな国オランダが農業輸出大国である理由のひとつは、このような知恵と技術の集積にあります。突如現れる巨大な温室群を目の当たりにすると、「農業の未来はここにある」と実感できるでしょう。季節によっては近隣農家さんのトマトやパプリカをとってもお手頃価格で買うことも可能ですよ。

次回は、美しい花々に囲まれて文化や歴史も学べるオランダらしい場所をご紹介したいと思います。


